口臭の原因ってどんなものがあるの?(その2)

生理的なことが原因とは?

口内バクテリアが原因の口臭のことを、生理的口臭と言います。

人の口内には、体の中に病原菌などが入らないように見張ってくれている口内バクテリアが、少ない人でも1,000億個以上いると言われています。

これらのバクテリアは、病原菌を退治したり、口の中に残ったタンパク質を分解したりすることで、揮発性硫化化合物という悪臭を発します。
これが悪臭の元となります。

唾液の分泌量と口臭

口臭の原因の1つに、唾液の分泌があります。
この唾液の分泌は生理現象の1つなので、「生理的な原因」となります。

朝起きた時、なんとなく口が臭うような気がしませんか?
寝ているときには唾液の分泌量が減少します。朝起きた時に、口の中が乾いている状態なのは、そのせいでもあります。
そして、口の中が乾いていると、夜の間に口の中でバクテリアが繁殖し、臭いを発する原因となります。

ではなぜ、唾液が少なくなると口が臭くなってしまうのでしょうか?

人の皮膚は新陳代謝によって剥がれ落ちます。
口の中も同じで、歯茎や頬の粘膜なども新陳代謝によって剥がれ落ちてきます。
また、口の中には知らないうちに口内バクテリアの死骸も溜まっています。
これら、剥がれた皮膚やバクテリアの死骸はタンパク質で、口内バクテリアが繁殖のためのエサにします。この時に、悪臭の元となる揮発性硫化化合物が発生します。

唾液は、これらの剥がれ落ちた皮膚やバクテリアの死骸などをきれいにしてくれる働きを持っています。
唾液が減るとこれら、口内バクテリアが繁殖するために必要なエサが口内に残されてしまうので、口臭が発生するのです。

空腹と口臭

食後直ぐは、唾液が大量に分泌されます。しかし、2~3時間後には、分泌量が減ってくるそうです。
つまり、おなかが空いてくる頃には、唾液の分泌が抑えられ、口の中でバクテリアが繁殖している状態になります。
これによって、空腹時には口臭がきつくなるのです。

緊張と口臭

緊張やストレスでも、唾液の分泌が抑えられるので、バクテリアが繁殖しやすくなります。
そのため、緊張しているときにお口の臭いが気になるようになるのです。

病気が原因の口臭とは?

口内の病気と口臭

口臭原因となる病気の多くは、口内の病気です。
歯周病や歯肉炎が原因で、口の中が臭くなります。

歯肉炎

歯肉炎とは、歯茎の腫れや膿んだ症状のことです。
この状態は、歯垢が歯と歯茎の隙間に付き、そこに細菌が繁殖することで引き起こされる炎症です。
多くの方が経験したことのある症状で、あまり気にしたこともないかもしれません。
しかし、この状態ですでに口臭が発生しています。

歯周病

歯周病は、歯垢の蓄積によっておこる病気で、歯肉炎が悪化したものだと思っていただければいいでしょう。
歯周病は、歯周病菌という菌の繁殖によって引き起こされるのですが、この菌は繁殖する時にも、悪臭を発生させています。

この悪臭は、歯肉炎よりも強い臭いを発しているので、自分自身でも気づくことが出来ます。

ドライマウス

ドライマウスとは、様々な要因で罹る「口腔乾燥症」という病気の一種です。

ストレスなどが原因だったり、たばこを吸ったりすることでドライマウスになることはよく知られていると思います。
しかし、糖尿病や薬の副作用、更年期障害、シェーグレン症候群という膠原病もドライマウスの原因です。

シェーグレン症候群とは、自己免疫疾患によって唾液線や涙腺が、自分のリンパ球によって攻撃されて壊れていくという病気です。

腎不全の患者さんの場合もドライマウスになりやすいと言われています。これは、病気が原因というより、治療の一環として1日の水分摂取量を制限されていることが原因です。

そして、ドライマウスになると唾液の分泌量が減って、口内のバクテリアの繁殖が進んでしまうので、口臭が発生します。

 

内臓疾患と口臭

口腔内の病気が原因の場合には、自分でも自覚症状が持てますし、鏡を見ればわかる場合もあるので、すぐに病院で治療をしてもらうこともできます。

しかし、口腔内の病気以外の病気が原因による口臭もあります。これらの口臭の場合、その臭いによって病気の種類が違ってきます。

甘酸っぱいような臭いがしたら、糖尿病の可能性があります。アセトン臭という臭い成分が原因です。

アンモニア臭がする場合は、肝機能障害の可能性があります。肝臓で毒素の分解が行われていないために、発生するようです。
肝臓がんや肝硬変も同様に、アンモニア臭がするそうです。

食べ物が腐ったような臭いの場合には、消化不良を起こしているかもしれません。
食べたものが消化されず、胃の中で発酵することで悪臭が発生するようです。

そして、女性としては絶対に嫌なのですが、もし側溝のような下水のような臭いがしたら、胃がんや食道がんを疑ってください。

 

口臭は、口の中だけから臭っているわけではありません。胃や腸など、体の中から臭っていこともあります。
その臭いの中には、食べ物由来のものもありますが(ニンニクやネギなど)、「臭うような料理を食べた覚えがない」「口内に虫歯も歯周病などもない」という場合は、一度病院で相談した方がいいかもしれません。

その他の原因とは?

遺伝が原因で口臭が発生?

見た目や性格など、遺伝によって親に似ていると言われることがあります。
同様に、体毛の濃さ、肌の色なども(色白かどうか)遺伝によって決まってきます。

特に男性の場合は、遺伝によって薄毛になるかどうかといった深刻な問題があります。父親や祖父など、親戚の中に薄毛の人がいると「いずれ自分も?」と、不安になる方は少なくありません。

では、口臭は遺伝によって発生することはあるのでしょうか?
虫歯や歯周病などの病気は遺伝でなるものではありません。また、口臭の一番の原因は食べ物です。
ということは、遺伝ではありえないのでは?
いいえ、残念ながら「遺伝で口臭は発生する可能性がある」のです。

この場合の口臭は、「病気による口臭」です。
「魚臭症」とう、口の中が魚の腐ったような臭いのする口内の病気です。「トリメチルアミン尿症」とも呼ばれています。

原因

人は、生きていくために食事をし、胃や腸でその食べたものを消化・分解します。このときに発生するのが、「トリメチルアミン」という物質です。
「トリメチルアミン」はアルカリ性物質ですので、本来であれば胃酸などによって分解される物質です。

「魚臭症」という病気の場合、胃や腸の働きが正常に行われず、「トリメチルアミン」が分解されません。
この「トリメチルアミン」の臭いが、魚が腐ったような独特な悪臭を放っているので、「魚臭症」患者の口臭が魚が腐ったような臭いになるのです。

「魚臭症」患者の多くは、遺伝による先天性の異常なのですが、中には、肝機能障害やホルモンバランスの低下によって、一時的に発症する場合もあるようです。

治療

「魚臭症」は完治しない病気とも言われています。そのため、臭いの元となる「トリメチルアミン」を体内で作らないことが、臭いを抑える重要なポイントとなります。

食べてはいけない食材
  1. コリンという物質を多く含んだ食材
    • 卵黄
    • 肉類(加工肉やホルモンなど)
    • 豆類(ナッツや大豆など)
    • 芽キャベツ
    • ブロッコリー
    • カリフラワー  など
  2. レシチンという物質を多く含んだ食材
    • 卵黄
    • 豆類(ナッツや大豆など)
    • ごま油
    • コーン油
    • 小魚
    • ウナギ  など
  3. トリメチルアミンオキシドという物質を多く含んだ食材
    • 海水魚
    • タコ
    • イカ
    • 甲殻類  など

これらを見ると、女性の美容や健康、ダイエットに必要な食材も多く含まれていますね。

さて、ここにあげた3つの物質ですが、これらが体内で化学反応を起こして「トリメチルアミン」に代わります。ですので、これらをたくさん含んでいる食材を食べないことで、臭いの発生を抑えます。

但し、海水魚などの中で、カツオやマグロのような赤身の魚には、「トリメチルアミンオキシド」という物質の含有量が低いそうです。

女性特有の口臭もある?

女性には、毎月生理があります。この生理には女性ホルモンが大きく影響しています。
生理の時期は、このホルモンのバランスが大きく崩れます。ホルモンバランスが崩れると、唾液の分泌量が低下します。
それによって、口の中が臭くなります。

妊娠も口臭に大きく影響しています。
つわりのある妊娠初期は、そのつわりが原因でなかなかしっかりと歯磨きが出来ず、口内環境を整えることが出来ません。それによって口臭が発生します。
また、妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増えます。それによって、歯周炎や歯肉炎の原因となる物質が、体内から過剰に分泌されることとなり、「妊娠性歯周炎」に罹ります。
これもまた、口臭の原因となります。

さらに、生理中や妊娠中の女性はストレスを溜めやすく、そのため唾液の分泌量が減少して口臭が発生します。

年齢を重ねると、更年期障害になります。これは、女性ホルモンの分泌が減少して起こります。つまり、ホルモンバランスが崩れている状態なのです。
更年期障害が終わると閉経です。閉経後もホルモンバランスが崩れた状態が続いているため、唾液の分泌量が減少し、口臭が発生します。

女性にとっては、ホルモンバランスを正常に保つことも、口臭予防には大切なポイントと言えます。